• 「HVC-C2W」の登場で顔認識センサーハックはどう変わる!?新型HVCの持つ可能性

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「HVC-C2W」の登場で顔認識センサーハックはどう変わる!?新型HVCの持つ可能性

ヒューマンビジョンコンポ 家族目線(HVC-C2W) の発売から早1ヶ月が経ちましたが、
このたび、HVC-C1Bのプロトタイプキャンペーンに参加頂いた、
IoTKYOTO主催の池田大介さんにセンサーハックの楽しさから、
前モデルHVC-C1Bと比較してのHVC-C2Wの可能性について寄稿頂きました。

今、電子工作・センサーハックが楽しくなってきている!

ここ最近、ソフトウェア・ハードウェア業界を巻き込んで「センサー」や「センシング」などの言葉がとても流行っています。もともとセンサー機器本体そのものやセンシング導入には、高額なコストかかっていましたが、センシングアルゴリズムや開発技術の進歩によって、個人でも日常的に利用したり接したりする機会がどんどん増えてきています。

私自身は元々WEB系エンジニアで「組込ソフトウェア」や「電子回路」などに特別強いわけではなかったのですが、プログラミングを使って制御できるハードウェアやセンサーなどが次々と出てくるのを見ていて、自分も何か作ってみたいと興味が出始めたのが2014年。その当時、たまたまオムロンから面白いハッカブルデバイスが出るという話をSNS上で知りすぐに実機を取り寄せ、初めてセンサー連動スマホアプリを作成することになりました。

その面白いデバイスというのは、オムロンの開発したヒューマンビジョンコンボ(HVC)という人理解センサーです。

ヒューマンビジョンコンポ「HVC-C1B」との出会い

この見た目から、どういうデバイスなのか想像はつきますでしょうか?一言でいうと。
OKAO® Visionという高精度・高機能な『画像認識技術』が搭載されいる顔認識センサー端末。」
です。
通信部分は、BLE(Bluetooth low energy)が担っているので、カメラで捉えた画像を「OKAO® Vision」が検知・解析して、結果をBLEを通じてスマホアプリやその他デバイスでデータを取得したりできたりする。つまり、理論的にはBLE対応端末があれば、HVC-C1Bの解析データを受け取れるということになります。

そもそも「OKAO® Vision」というは何なのか?
これこそが、このデバイス「HVC-C1B」の中核技術だから大変重要なのですが。
「OKAO® Vision」というのは、デバイスのカメラが認識した人の「表情(喜び/驚き/怒り/悲しみ/真顔)判定」「年齢推定」「性別推定」など、色々と検出したり推定したりできてしまうという高機能な顔・物体解析エンジンです。

そもそも、電子工作系のお話だと、「加速度・ジャイロ・水平・温湿度・振動・衝撃」などのセンサー類は比較的よく見聞きするしパーツ屋さんでもすぐに手に入ったりしますが、顔の表情を認識したり、年齢・性別といったものを検知・推定するセンサーというのは非常に珍しいので、モノづくり妄想が膨らみます。ということで、実際にこの端末に出会った私は、プロトタイピング熱が急上昇し、iOSアプリを開発してみたくなり、実際にアプリを作ってみたのが2014年冬のことです。

スマイルゲット※プロトタイプアプリ

私と同じように「HVC-C1B・OKAO® Visionが熱い!」と思ったエンジニアさんたちが全国各地に結構沢山おられたようで、続々とプロトタイピングアプリが集まりました。今でも、オムロンの「Sensing Egg Project」というページで多数のプロトタイプアプリ一覧が掲載されいています。Sensing Egg Projectのページはこちら。 どんなサービスやアプリが開発されたのか興味がある方は、是非チェックしてみてください!こんな感じで、iOSやAndroidから簡易に「OKAO® Vision」技術をハックできるHVC-C1Bのプロトタイピングは十分な盛り上がりを見せ、高評価の内に終了しました。

プロトタイプアプリから見えたこととHVC-C1Bとの別れ

作ったら、使って欲しい、評価して欲しいのがエンジニア。せっかくプロトタイプアプリを作ったので、意気揚々と知り合いに見せて回りました。OKAO® Vision技術と解析データについて、非常に多くのエンジニアさんが興味を示していたのは言うまでもなかったですね。やはり、顔センシングで表情や性別・年齢を推定できるのは大きな魅力なのは間違いないと実感したのですが、一方、私も開発中に多少の「制限」「制約」を感じた部分について、同じ意見を言っているエンジニアさんが結構いました。

「あれ?カメラが付いている端末だよね?なのに画像(jpgやpngなど)を取得したり保存できないと、用途が狭くなるな〜。」
「え?BLEのみ対応?うーん、狭いエリアでの利用シーンだと使えるけど、遠隔でデータを取得したりするのは難しいね。」

など、端末の機能制限による使いづらさを指摘する方も多数。私も「顔認識」と聞いた瞬間に思い描いたサービス、それは、「観光地で、楽しく笑顔をしたら自動的にシャッターがおりて写真が撮れて、自分のスマホに観光地の記念写真が送られてくる」という誰もが考えつきそうだけど、顔認識がなければ成し得なかったサービス。しかし、プロトタイプ開発スタート直後に、SDKから画像を取得出来ないことを知ることとなり、私の当初の夢は儚く散り、プロトタイプはしたもののHVC-C1Bとは疎遠になっていったのでした。

しかし・・・!!

HVC-C1Bの後継機がめまぐるしい進化を遂げて帰ってきた

時が流れてたった数ヶ月、1年もしない内に、なんと私の夢を叶えてくれそうな「後継者」現わる。
その名も「家族目線(HVC-C2W)」。

無骨な前機種HVC-C1Bに比べてると、デザインもキャッチーになり、お目目ぱっちりで、愛らしい。
そんな某妖怪マンガに出てくる某オヤジを可愛くしたような「家族目線(HVC-C2W)」の中身が相当気になったので、前機種HVC-C1Bと何が違うのかすぐにチェックしてみることに。

商品としてみると、いわゆる「ネットワークカメラセンサー」という部類に入るのでしょう。
設備投資が高額になりがちなネットワークカメラですが、このHVC-C2Wは、個人が気軽に設置して、手軽に使えるというところがポイント。
大きなお目目は、ハイビジョンの高解像度(最大1280×720pixel)なカメラになっていて、自宅に設置したりして、センサー映像をライブビューで自分のスマホで見れてしまうという優れもの。

その他装備している機能として。

  • 赤外線
    夜など暗闇の中でもちゃんと映像を見ることができます。
  • マイク・スピーカー
    映像だけでなく、音も拾えるし、音を出すこともできる。(会話もできる。)
  • 写真撮影と画像の保存
    写真を撮影して画像をマイクロSD(microSDHCTM)に保存することができる。(決定的瞬間も見逃さない。)

ちなみに、ネットワークカメラと聞くと、パッと思い浮かぶのが、「お子さん・赤ちゃんなどの見守り」「ペットの様子見」「介護用の見守り」だったりするけれども、どうやらその辺りはバッチリカバーしているようで、「家族目線 おるすばん」「家族目線 ペット」「家族目線 赤ちゃん」という公式アプリをすでにリリース済み。

これだけみると、「HVC-C2Wは、高機能で便利なネットワークカメラですね!」となるところですが、これだけは終わりません。HVC-C2Wは、あくまでもHVC-C1Bのアイデンティティを受け継ぐ後継者です。つまり、HVC-C1Bにも搭載されていた例の「OKAO® Vision」テクノロジーをしっかりと受け継ぎ、しかも使える機能が拡大し、「ハッカブルデバイス」としてもパワーアップして戻ってきています。ネットワークカメラ機能・写真撮影機能・暗視機能・音声コントール機能、そして、OKAO® Visionの検知・推察機能、これらすべての機能が、SDKを通じて自在に操れるとしたら、ワクワクしてきますね。

ということで、HVC-C2Wのハックポイントを見てみましょう。

HVC-C2Wの実力の程やいかに!?

Point① ついにIoT機器に。

通信機能が、BLEから無線LANになりました。
これでインターネットにデバイスが繋がる、いわゆる「IoT(Internet of Things)」デバイスとして生まれ変わったわけですね。近距離通信のBLEと違って、インターネット環境さえあれば直接世界の裏側でも繋がるわけで、遠隔操作が可能に。

Point② 念願の画像の取得と保存が可能に。

HVC-C1Bは、OKAO® Visionの検知データを数値と文字で送られてきましたが、C2Wは画像(静止画)を取得・保存できるようになりました。HVC-C1Bでプロトタイプして周りのフィードバックを得た時に「一番多かった要望」なので数値・文字列以外の情報を扱えるとなると一気に用途が広がりますね。

Point③ 文字・数値・画像と来て、「音」も?

画像だけではなく、音検出ができるようになりました。
音検出をトリガーにしてオートメーションな機能を走らせることも可能になったわけです。ここまでくると、HVC-C2Wは、まさに「第二の目」「第二の耳」「第二の口」として動作させることができるわけですね。(もちろん遠隔で。)

Point④ デバイスのイベント駆動が可能。

これもHVC-C1Bには無かった機能ですが。Linuxのcronのようなスケジュールだったり、動体検出・音声検出などのセンサーイベントを受け取って、画像保存・ログ保存・音声再生などが実行できてしまいます。これは、様々なオートメーション機能の開発に非常に役立ちます。

Point⑤ そして、いうまでもなく目玉「OKAO® Vision」

HVC-C2WはC1Bよりも多くのOKAO® テクノロジーが搭載されています。
今回追加された「顔認証」はとても重要で、一気にデバイスの用途が広がった気がします。HVC-C1Bに搭載されていたのは、「顔検出」です。「顔認証」は、顔を認識するだけでなく、その顔から「誰の顔か」ということを判定して、ID・パスワードや指紋認証のように認証機構として使えてしまうわけです。いわゆる「顔パス」が作れますね。会社の従業員だけを登録しておいて認証したり、家族の顔だけを認証するようにしたり。家族だけが認証して使えるスマホアプリとか、色々と利用シーンがありそうです。

さいごに

ということで、HVC-C1Bは、OKAO® Visionテクノロジーを簡易に扱えるという大役を今も果たしつつ、HVC-C2Wがその何倍もの機能を搭載してIoT ハッカブルデバイスとして登場しました。
興味が湧いたエンジニアさんなら、つべこべ言わずに早くiOS/AndroidのAPI仕様見せろ!と思われると思います。ここでは機能は紹介できましたが、具体的な数値や挙動などまですべてを網羅できたわけではないので、少しでも興味がある方は、HVC-C2WのSDKやマニュアルをご存分に楽しんでください。GithubでもSDKが更新中です。

SDK・Githubへのアクセスはこちら
さぁ、皆さん、こんな人理解センサーを駆使してどんな面白いことをしましょうか?